永々棟の十二か月

永々棟の十二か月

如月・弥生
少女たちがもてなした雛の茶会

石橋郁子

昨年、二月二十五日から四月三日まで「雛さまの饗宴」と銘打った古代雛の展覧会を行って、もう、一年がたちました。その後、能や狂言、コンサート、茶会などにたくさんのお人をお迎えし、その方々の口コミ、あるいはブログなどを通して「平野の家 わざ永々棟」をご紹介いただき、この一年の間に永々棟は少し名も知られ、愛してくださる方も増えるに従い、建物自体がしっくりと落ち着きを見せ始めています。

そんな永々棟での春の催事は雛人形展第二弾。昨年同様、高津古文化会館所蔵の古代雛や雛道具の展覧です。今年は少し趣を変え、ジュサブロー、与勇輝、平田郷陽、山本福松など現代人形作家たちの少女人形をサンルームに並べ、少女たちが江戸期の雛祭りに招かれたような趣向としました。さらに、京都嵯峨野の森小夜子さんや東京のホリヒロシさんなど錚々たる人形作家たちが作品をお寄せくださり、サンルームから少女たちのおしゃべりや笑い声が聞こえてきそうな雰囲気です。

そんなわけで今年は、愛らしい少女たちの雛祭りの趣。その雰囲気をいっそう盛り上げるような「少女たちのお茶会」が初日の二月二十五日に行われました。おもてなしは日ごろ永々棟の「子ども茶道教室」でお稽古する小学生三人と近くの衣笠中学茶道部の中学生のお姉さんたち三人。小学生は盆略点前、中学生は茶箱でのお点前で、お客さまをもてなしました。茶碗の高台まで指が届かないほどの小さな手はおぼつかないながら、その愛らしい所作、「いっぷく、さしあげます」や「お菓子をどうぞ」のたどたどしい挨拶、そして人形のような振袖姿に席中、温かい笑みがこぼれて茶室「聚楽庵」は、一足早く爛漫の春の陽気に包まれたことでした。

お菓子はもちろん「ひちぎり」。これもごく小さいものを二つ雛道具の膳に乗せ、金平糖や雛あられも雛道具のお椀に入れてままごとのお懐石めいた趣向で少女たちがお運びしたのです。これもまた、雛の華やぎ。年齢に拘わらず女性には懐かしく温かい薄桃色の光景でした。

少女たちの指導にあたる徳川宗由先生は席に、衣笠中学茶道部の岡本宗琴先生と私は水屋に控え、はらはらしながらの一会でしたが、子どもながらに堂々と、しかし心の籠もったおもてなしに誰もが心に春風を感じたに違いありません。

一日かぎりの雛茶会でしたが、「桃花の節-ひいな遊び-」と銘打った雛人形展は、三月末日まで開催中。今年は、本檜皮葺の御殿も展示され、二十四日には高津古文化会館学芸員による「ひなさまの話」もあり、上巳の節句や雛人形の歴史など、知的な大人のお遊びが楽しめます。たくさの方々のご来観をお待ち申し上げております。

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